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設置公開<2010年7月23日>

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海外でも議論噴出 なぜ「高齢ドライバー」の運転を止められないのか(ITmedia、4月25日) - 磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)

2019/06/04 (Tue) 22:36:32

 こんばんは。


 個人差が大きいので、一律に年齢で規制するのは如何かと思います。
 母は此の2月で89歳を迎えましたが、高齢者講習で筆記も実技も満点でした。

 高齢者講習に限らず、運転免許更新時に不合格時には免許取り消しもあり得る実技試験を導入することも考えて良いと思いますが。(普段は軽自動車しか運転してない人は合格が難しいので軽限定免許の復活も考えられます)
 また、サポカー限定免許の導入等も、考えても良いと思いますが。


> 4月19日、東京都豊島区の池袋で痛ましい事故が起きた。

> 昼過ぎに高齢の男性(87)が運転する乗用車が暴走し、通行人を次々とはねた。自転車で走行中だった31歳の女性とその3歳の娘が死亡したことが報じられて同情の声が広がったが、それから加害者が旧通産省の元官僚で、工業技術院の院長まで務めた人物であることが判明すると、ネットなどでは一部で激しい怒りが噴出した。

> しかも、なかなかこの高齢ドライバーが逮捕されたというニュースがないことに憤激する人たちも出ているという。

> ただはっきり言って、このドライバーが元官僚だろうがなんだろうが関係ない。それよりも重要なのは、このドライバーは足が悪かった上に、駐車場にうまく駐車できないことなどもあり、「もう運転を止める」と語っていたという話だ。しかも警察によれば、このドライバーは誤ってアクセルを踏み込んでしまい事故になったのだという。

> 若い親子がそんなドライバーと同じ場所に居合わせてしまったのはやるせないが、本来、このドライバーはその場所にいるべきではなかったのではないか。

> 海外に目をやると、実は英国で少し前に、高齢ドライバーが運転を続けるべきか否かについて議論になっていた。というのも、1月に、エリザベス女王の夫であるエディンバラ公フィリップ殿下(97)が、運転していたランドローバーで乗用車と衝突事故を起こしたからだ。フィリップ殿下は無傷だったが、相手は手首を骨折した。

> 高齢ドライバーは運転をすべきか否か――。海外でも話題になっている議論を踏まえながら、日本で私たちは高齢ドライバーにどう向き合っていくべきなのか考察してみたい。


> 増え続ける、高齢ドライバーによる死亡事故

> まずはっきりさせておきたいのは、日本は何も対策していないわけではない。2017年3月、改正道路交通法が施行され、高齢ドライバーの認知機能検査を強化している。

> しかしこうした対策にもかかわらず、警視庁によれば、18年は75歳以上の高齢ドライバーによる死亡事故が460件も発生している。またこれらドライバーのうち、半数近くが「認知症の恐れ」か「認知機能低下の恐れ」があったという。

> しかも、75歳以上のドライバーによる死亡事故件数は年々増加傾向にある。ということは、やはり新たな対策が必要だと考えられるのだ。では、どんな対策があり得るのか。

> 英国では、フィリップ殿下の一件の後にこんな議論になった。まず、医師から運転をやめるようアドバイスされたら、直ちに運転をやめさせるべきだということ。また英公共放送BBCは、運転に支障をきたしそうな、体に問題がある高齢者は免許を返納すべきだと書いている。これらは当たり前の話である。

> また家族が高齢ドライバーをしっかりとチェックする必要があるという声も上がっていた。

> 英国では高齢ドライバーであっても、免許の更新時には運転テストや医学的なチェックはなく、ただ自己申告をすればいいだけだという。英国の自動車関連団体などは、どんな形でも規制をよしとしておらず、高齢ドライバーの問題でも、そこは更新時の規制ではなく、家族が止めるべきだと主張しており、そうした見解もあって現状のような緩い更新が続いている。

> ただそんな緩さが、高齢ドライバーの家族を苦しめているとの指摘もある。なぜなら、彼らが高齢ドライバーに運転をやめるよう説得しなければならず、それは実に骨が折れるからだ。


> 「自分は大丈夫」「年寄り扱いするな」

> これはよく分かる。実は筆者も最近知人からこんな話を聞いたばかりだった。今年に入ってから、認知症気味の75歳を超えた母親に免許を返納させた。というのも、昨年、母親が運転する車の助手席にいた際に、母親が道路を逆走しようとしたのだという。この知人は、「自分は大丈夫」「年寄り扱いするな」「買い物すら行けない」とゴネる母親に、免許を返納させるのに難儀したと語る。「最終的には、ゆっくりと時間をかけて、『自分の孫ほどの子供をひいたりしたらどうするのか』『買い物の際は父親が運転手をする』と諭して納得させた」

> 筆者は、今回の親子を死亡させた高齢ドライバーのニュースを目にするたびに、この話を思い出した。家族にも責任があるのではないかと。特に高齢者の場合、その家族とは配偶者だけでなく、成人している子供たちも入るだろう。そう、私たち世代に責任があるとも言えるし、もっと言えば、そういう認識が広がる必要があるのかもしれないと感じる。家族がいない人の場合は、高齢者のデータベースを持つ警察や行政がきちんと対応するようにするべきだ。

> ちなみにフィリップ殿下も、かなり頑固者として知られ、人の言うことには耳を貸さなかったという。その証拠に、自動車事故後にメディアなどで批判が噴出していたにもかかわらず、すぐ後にまた別の車を運転している姿が捉えられた。だがさすがに、二度目の後は周囲から止められたのだろう。直ちに免許を返納した。

> ただ、事故が起きてから運転をやめさせるのでは遅い。他人をけがさせたり、ひき殺してからでは遅すぎるからだ。だが高齢ドライバーに運転をやめさせるのは、世界どこでも簡単ではないということだ。

> そこで英デイリーメール紙はこうアドバイスする。高齢ドライバーは「運転によって自立性を維持できている」と言う人が少なくない。さらに地域によっては、車がないと生活がかなり不便になるケースもある。車を手放すとその生活に適応するのは最初は大変だが、家族や友人、医師など周りがサポートすることが不可欠だという。

> 米NBCニュースのアドバイスはこうだ。やはり周囲が認知症など運転する能力があるのかをチェックすべきで、辺りが暗くなってからの運転を怖がったり、運転しづらそうにしたら、警戒すべきだ。また免許を手放すかどうかの話になれば、決して年齢については触れてはならず、運転技術(判断力など)から話を持っていくべきだという。


> 認知症だけが問題ではない

> 筆者はこれまで、米国で高齢ドライバーが運転する車に乗せてもらう機会が何度もあった。米国は日本と違って道が広いために、高齢ドライバーも運転はしやすい。運転してくれた高齢者たちは、明らかに認知症ではなかったが、それでも判断力は若者と比べて断然低いと常々感じていた。耳が遠い人もいたし、視力も衰えているように感じた。この経験から、体の機能が衰えつつある高齢者が自動車を運転するということ自体、もっと厳しく捉えてもいいのかもしれないと思ったものだ。

> ドイツで行われた研究では、65~75歳の高齢ドライバーの10人に8人ほどは、運転しながら何か他のことをしようとすると、道路からはみ出してしまうことが分かったという。つまり、運転中に何か注意をそらすようなものがあれば、事故を起こしてしまう可能性が高まるということだ。認知症うんぬんだけが問題ではないのである。

> ある一定の年齢を迎えた高齢ドライバーは運転を厳しく制限するなどの措置をとる必要があるのかもしれない。日本は幸い、公共交通機関やタクシーなどが充実している。

> 自分の能力低下を自覚していた高齢ドライバーが、自転車で横断歩道を渡っていた何の罪もない親子の人生を突然奪うようなことは二度とあってはならない。


> 筆者プロフィール:
> 山田敏弘
> 元MITフェロー、ジャーナリスト・ノンフィクション作家。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト・フェローを経てフリーに。
> 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。最近はテレビ・ラジオにも出演し、講演や大学での講義なども行っている。


https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1904/25/news017.html

Re: 海外でも議論噴出 なぜ「高齢ドライバー」の運転を止められないのか(ITmedia、4月25日) - 磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)

2019/06/05 (Wed) 12:52:17

 こんにちは。


 アクセルとブレーキの踏み間違えによる交通事故は年に5千件ぐらい起きており、高齢者に多い訳ではない(最も多いのは20代)が、死亡事故は高齢者に多い由。
 思うに、踏み間違いの後に踏み間違えたことに気付くのが遅れるのではないかと。頭ではブレーキを踏んでるつもりなので踏み続けてるが、実際にはアクセルを踏み続けてると。


<参考>

<話題NO.820 <高齢者>自動車のアクセル踏み間違い防止の話>
http://mrshibaken.g2.xrea.com/majinbbs/mina_wadai_99.htm#no820

Re: 海外でも議論噴出 なぜ「高齢ドライバー」の運転を止められないのか(ITmedia、4月25日) - 磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)

2019/06/11 (Tue) 00:43:43

<参考>

<話題NO.1053 高齢者専用の運転免許創設<?>安全機能付き車に限定<?>>
http://mrshibaken.g2.xrea.com/majinbbs/mina_wadai_125.htm#no1053

Re: 海外でも議論噴出 なぜ「高齢ドライバー」の運転を止められないのか(ITmedia、4月25日) - 磯津(寫眞機廢人)@ThinkPad R61一号機(Win 7)

2019/12/12 (Thu) 02:09:10

<高齢者の自動車暴走事故はなぜ起きるのか ボルボの「世界的第一人者」に聞いた(ITmedia、12月11日)>

 こんばんは。


 若者にも事故は多いですが、若者と高齢者では事故の性格が異なるといいます。
 因みに私は、若い頃よりも運転が大幅に下手になったと実感しており、交差点等では周囲の迷惑を承知で、歩くような速度で通行しています。
 ボルボは「完全な」自動運転は当面は無理と考えているようです。


> 池袋の自動車暴走事故から7カ月あまり。11月9日にはTBS系のJNNの取材に対し、暴走していた車を運転していた飯塚幸三容疑者が「安全な車を開発するようにメーカーの方に心がけていただき、高齢者が安心して運転できるような外出できるような世の中になってほしい」と発言し、物議を醸した。

> 一方で政府も自動車事故への対策に本腰を入れている状況だ。12月よりスマートフォンや携帯電話を操作しながら運転する、いわゆる「ながら運転」の罰則を強化した。『ながら運転』で事故を起こすと、人を傷つけなくても一発で免許停止処分となる場合がある。

> さらに11月20日には、65歳以上の高齢者を対象に、安全運転装置付き車に10万円を助成する方針も打ち出した。加えて、国内で販売される新車に衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)の取り付けを義務付ける方針も固めた。歩行者に反応する自動ブレーキなど、国際基準を満たす性能を求める。

> 今後、安全運転装置付きの車がますます普及していくことは間違いないだろう。果たして最新鋭の車の場合、一体どのような形で事故を防げたのかは気になるところだ。

> そこでITmedia ビジネスオンラインは、スウェーデンの世界的な自動車メーカー「ボルボ」で「Mr.セーフティ」と呼ばれているセーフティ部門の責任者ヤン・イヴァーソン(Jan Ivarsson)氏に独占取材を敢行した。同氏は30年以上にわたって安全というテーマに取り組んできた世界的第一人者だ。

> ボルボは「自動車は安全な乗りものでなくてはならない」という理念のもと、現在では当たり前の装備となっている3点式シートベルトを世界で初めて発明し、近年では世界初の歩行者向けエアバッグを発明・実装した。また、「安全は独占されるべきではない」という考えから、こうした発明を自社で独占せず、特許を無償で公開していることも特徴だ。このように自動車の安全性を追求するボルボの戦略と、高齢者運転の実態に迫った。

>若者と高齢者とでは「事故の性質」が違う

> ――池袋では高齢者ドライバーによる悲惨な事故が起こりました。他にも日本ではこうした事件が近年よく取り上げられる傾向にあります。なぜこういった事故が増えているのでしょうか。

> 高齢者の事故は、日本に限らず、スウェーデンでもアメリカでも増えています。というのも、こうした国々では高齢者の人口が増え、高齢ドライバーの数も増えてきているからです。高齢者そのものの数が増えているため、事故の被害に遭う高齢者の数も増えています。

> ――事故の統計を見ると、事故の発生率そのものは10代が1番多く、次点に20代前半。後期高齢者の事故率はその次ぐらいにくるものをよく目にします。こうした傾向も世界的に同じなのでしょうか。

> スウェーデンでも同じ傾向が見られます。背景が一緒なので、日本はもちろん、アメリカでも同じです。スウェーデンの走行距離100万キロあたりの死亡重傷事故に遭った人数のデータでも、10代が飛び抜けて多く、男性が女性よりもさらに多く、女性の1.5倍ぐらいになっています。

> これは単に運転に不慣れだから、というのが主な要因です。こうした経験的な要素は年を経るにしたがって解消され、年代が進むに従ってだんだん死亡重傷率も低くなっていきます。しかし、あるところを境にまた上がり始めます。これも日本やアメリカでも同じような状況です。ところがボルボの調査によると、この10代20代の事故と、高齢者の方が起こす事故は性質が異なることが分かっています。

> ――どのような違いがあるのでしょうか。

> 25~35歳までの年代と55歳以上の年代とを比較すると、交差点以外の事故の数は25~35歳までの年代のほうが多く、5%ほど高くなっています。ところが交差点の事故に限って見ますとこれが逆転し、55歳以上の年代のほうが25~35歳までの年代よりも5%弱高くなっているのです。


> なぜ交差点では高齢者のほうが事故を多く起こすのか

> ――なぜ交差点では高齢者のほうが事故を多く起こすのでしょうか。

> この原因を突き止めるため、ボルボでは被験者を募った実験をしました。50人のドライバーに田舎の道と都市部の道20キロを実際に運転してもらうというもので、ドライバーの内訳は75歳以上が26人、残りの24人は対照群として35~55歳の人に参加してもらいました。いずれも、過去にこうした実験に関わったことのない人たちです。こうした方々に目の動きを追跡できる器具を装着し、4つの交差点を選んで追跡を実施しました。

> その結果分かったことが、4つあります。1つ目は、高齢者ドライバーのほうが車両の位置を把握するのに時間がかかるということです。これは高齢者の認知機能そのものが低下しているということなので、分かりやすいかと思います。2つ目は、(高齢者は)動いている物体にあまり注意を払わないという点です。そして3つ目は、老化で視野が狭くなっている可能性も考えられるということです。しかし、ここはまだ証明できていません。

> 4つ目が、高齢者のほうがドライバー心理として、他の車や歩行者の進路を妨げたくないという気持ちが強く働くようです。この結果、高齢ドライバーのほうが交差点で速度を低くして、安全を確認しようという行動が見られない傾向がありました。

> ――高齢ドライバーの方は長年のドライビング経験を信じて、「だろう運転」的になってしまい、交差点で速度を落とさないということなのでしょうか。

> 仰る通りです。これまでの経験が悪いほうに作用してしまっているわけです。しっかり反応できていたころの「大丈夫だった」という経験を、現在にも当てはめてしまっています。認知機能が衰えているにもかかわらず、間違った前提に基づいて運転をしてしまっているということです。ですので、交差点を通るときには急いで通過しようとしないで、これでもかというほどにスピードを落として入っていかないと本当はいけません。

> ――実験で交差点以外からも何か分かったことはありますか。

> 高齢ドライバーは道路に設置されているもの、例えば標識や標示などを見て自分の車の動きを把握しようとします。一方、若いドライバーは、歩行者や自転車、他の車といった、周りで動いているものと自分の車との相対的な動きを把握します。これは若くて認知機能も優れているからそのように対処しているからだと考えられます。

> ――こうした実験の結果、どのような形の運転支援が考えられますか。

> まず一つ言えるのが、運転支援機能によって高齢者の移動手段の質を維持向上させることができるということです。スピードへの適応は運転者にとって難しいですが、車内カメラで運転者の行動を監視するようにすれば、運転者を支援して警告を発するのに役立つと考えています。

> そして既にボルボをはじめさまざまなメーカーで実装されている衝突回避技術や自動操舵回避技術ですが、これを実装することで、特に交差点において、高齢者に限らず若いドライバーにも事故の回避に有効なことが確信できました。


> ボルボの運転支援技術とは

> ――ボルボでは現在どういった運転支援技術を実装しているのでしょうか。

> 車線維持、標識認識、それから速度超過警告といった機能は既に実装されています。被害軽減という視点では、前方の歩行者やサイクリストを識別し、衝突の危険が生じた際に適切な回避操作が行われないと作動する自動ブレーキも実装しています。

> ――こうした機能に加え、今後は車内カメラが加わるということでしょうか。

> はい、2020年代前半に発売する新型車から順次導入予定です。これは画像解析機能を用いて、ドライバーの目の動きを車内カメラで追跡するというものです。既に外部のセンサーはさまざまな形で実装されているので、これと連動することで、例えば運転者が脇見運転をしているような状況が続くと警告を発したり、さらに周囲から危険が迫っていると感知した場合には、自動的にハンドルを操作したりブレーキをかけて安全な場所に停車させる機能も考えています。

> 具体的なところでは、日本の場合は、交差点で右折する際に対向車の車線を横切っていかなければいけない危険な場面を迎えるので、車外のセンサーと車内カメラを連動させてより安全にしていく仕組み作りを進めていきたいと考えています。こうした機能は2020年の前半から搭載していく予定です。最初はオプションになるかと思いますが、今後標準装備にしていくつもりです。

> ――池袋の事故のように、ドライバーが運転するには危険な状態だと車が検知した場合、今後はどのように安全装置が働いていくものと考えられるでしょうか。

> 今後に標準装備されていく「車内カメラの監視」がまさしくこれに該当します。池袋の事故は高齢ドライバーによって引き起こされた悲惨なものですが、若いドライバーでも運転中に急病を発症して、その結果、車が暴走して事故を起こすという事態も考えられるわけです。

> 年齢を問わずあらゆる状況に対処するために、車内カメラによってドライバーの状態を監視するという目的があります。ドライバーに何か異常が発生したと車が判断した場合、運転支援機能で車を路肩に強制的に停車させます。そして「ボルボ・オン・コール」という既に実装されている通信機能と連動して、コールセンターにつないで向こうのオペレーターから「大丈夫ですか?」という問いかけをすることも可能です。そのまま救急車などの手配もできます。

> ――なるほど。こうした車内カメラによる運転支援は、他の自動車メーカーも追随していくと考えていますか。

> 車内カメラについてはいくつかのメーカーも導入していくと思います。今お話しした例は緊急事態的な究極のケースともいえますが、カメラは運転している人を刺激する武器にも使えるんですよ。例えば居眠りを検知したときに警告音を発して刺激を与えたり、車線維持機能とリンクさせたりすることによって、車線を逸脱するような運転になっていることを運転者に知らせるような使い方もできます。必要なときには、速度を強制的に落とすこともできます。


> ボルボが見据える20年後の自動車

> ――ボルボとしては10年後20年後を見据えたとき、車はどのように変化していくと考えていますか。

> ボルボは自動運転に対し、技術的な目線で分けられている「レベル」を基準にした見方をしないことにしました。こうした自動運転は利用者目線が考えられるべきであって、運転者が車の機械を操作して自動運転にする「レベル3」の考え方では、ドライバーの安全を完全に担保できないからです。自動車を安全な乗りものとして再定義するには、(1)完全自動運転か、(2)運転支援の状態であるか、(3)完全自動運転と運転支援を切り替えている状態なのか、以上の3つに分けて考えるべきです。

> ボルボは「完全自動運転」を目指していくために、検知技術の開発をより正確で安全なものにしていきたいと考えています。この検知技術は、特に車内カメラの例のように、運転者の行動の検知に重点が移っていきます。

> こうして完全自動運転技術が確立されていき、究極的には車は運転者なしで走れる乗りものになっていきます。ただ、そうなっても事故を起こすわけにはいきませんので、非常に高いレベルの信頼性が求められることは言うまでもありません。

> ただ、そうなったときでも、自動車は運転が可能なものである必要があります。自動運転で対応しきれないような複雑な状況においては、運転者の介在が必要となる場面がどうしても出てくると思います。こういう場面のためにも、ドライバーが自動運転と人間による運転の切り替えが安全にできるような仕組みも必要であり続けます。


https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1912/06/news027.html#utm_medium=email_txt&utm_source=bz_tsushin&utm_campaign=bz2019/12/11

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